2010年5月16日日曜日

セクシーハードボイルドノンフィクションフィクションアドベンチャー小説  第3話

考えてみると、今まで一度もソロを作ろうと思った事はない。



俺はライブを行う時や作品が出来た時、自分一人の物でなく誰かとその瞬間を分かち合いたいという意識があった、その方が喜びも倍になると思うし、何かの為に忠実にミッションをこなす兵隊でいた方がずっと症に向いている。





しかし、艦隊をもたない今となってはそうも言っていられない





『どうしたものか』



考えが渦巻くうちに、俺は助言をもとめてリスペクトを込めある人に連絡を取ってみた


『HAB I SCREAM』、伝説のHIP HOPユニット『SOUL SCREAM』を組み、その後、通算3枚の(現時点で)ソロアルバムを築いた偉大なるアーティストだ。




彼の一枚目のアルバム『HAB I SCREAM』で自分の兄貴、士文(しもん)がドラムで参加したのがきっかけで知り合った。その1stアルバムのリリースパーティーが目黒にあるホテル〝クラスカ″のラウンジで行うという事で自分も観に行かさせてもらったが、、、、、、、すべてがかっこよすぎた
中でも、そのアルバム中の『POWER OF WORD』のライブアクティングは、そのメロディーや言葉の乗せ方、聴いた瞬間に自分の中で何かが爆ぜる感覚に襲われ、客をかき分け一番前で拳を掲げて、一緒にフックを叫んでいた。


HABさんは心良く自分の申し受けに答えてくれて、数日後、家へ招いてくれた
『おう来門、SO-Chei!そんなとこ突っ立ってないで上がって』
『あっ、HABさん おじゃましまーす』

都内にある2階立ての素敵な家で、家族を〝音楽″という武器一つで守っている、誰に媚びる事なくインディーズで勝負し続ける、まるで、狼のような人である。



その日、HABさんは7才になるかわいい娘と自分を出迎えてくれた。



俺は、過去の出来事や今作っている音の話などをきいてもらった、
『なるほどねぇ、マジこの世界そうゆう所シビアだよなぁ
 まぁ、どの世界もでそうだろうけどさぁー、でも、やっぱ自分が作りたいってもんは自分の中にしかないんだよ、だから来門が持ってるメロディーはお前の物なんだから、俺は、そのソロっていうのは賛成だけどね』


『そうっすかねぇ、うーん がんばってみようかな』


『俺は来門のメロディー好きだぜ、JUNGLIST YOUTHS の WAKE INNA BABEL だって来門しか歌ってないんだから結局の所はあれだってソロだぜ』

『なるほど』

『まぁ、俺も今3枚目のソロの考え煮つめてるけど、もう大変だよ
 曲の構成だの世界観など、、
 あっ、ちょっと新曲聴いてみてよ』



彼のコンピューターから、自宅で録音されたデモ曲が流れてくる、その一つ一つには音楽で食べてゆくための〝テクニック″と『覚悟』が鳴っていた、


『かっこいい』


偽りなく素直にそうつぶやいていた。
そしてなにより、気兼ねなくそのトップシークレット(新曲)を聴かせてくれた事が、心より嬉しかった。

『そう、それでさ、次の俺のアルバムで、来門なんか一緒に演んない?』
『えっ!?』
『何か俺のために曲書いてくれよ、さっきも言ったけど、俺お前のメロディー好きなんだよ、
 俺はお前と一緒に演りてーよ』
『!!!!!、、、、、、、、、、、、、、』



HABさんからの言葉が信じられなかった、
今まで曲を、自分とオーディエンスのために書いていたつもりだっだが、ここで始めてアーティスト、、、、、、しかもこの様な偉大なアーティストから自分の曲で感化された事を伝えられて、心が震え上がり、言葉を発する事が出来なかった




『どう?』



『、、、、、もったいないお言葉です、、、、
 光栄です、、、、、、、喜んで』


『そうか! はははっ それなら良かった』

『あの、、、俺、今何曲かデモソング持ってるんで、聴いてください』

『おっ、本当!! 仕事早いねぇ、でもその前に、俺晩飯作んなきゃいけなくてさぁ、、』

『あっ!!いけねぇ もうこんな時間だ 長居してすいません、俺そろそろ帰りま、、、』
HABさんはそれをさえぎる様に







『もちろん、お前も一緒に食ってってくれるだろう?』
 
 



自分はまた、言葉に詰まってしまった



『、、、、、、、、、、、はい、、、、、喜んで』




彼はいたずらっぽく
『はは、さっきと同じフレーズだ』
と笑った


HABさんが作ってくれた鳥団子の味と温かさは、心まで染み渡ってゆく感じがして、一人の夜の帰り道でもそれは消える事無く、温もりを与え続け、凍てついたものを溶かすように、涙があふれ出るのを止める事は出来なかった




『そうかぁ、、俺は自分のフレーズを追い続けていいんだな、、、、、』





その後、苦心の末、作曲を俺、MIXをKNTR、JUNGLIST YOUTHSをフューチャリングした作品
『DEAL FOR REAL』、、、、、、HAB I SCREAMの最新アルバム 『PALPABLE』(パルパープル)の8曲目に登録された。



次回続く


Photobucket

DEAL FOR REAL / HAB I SCREAM ft JUNGLIST YOUTHS by NUFFMEK RECORD

3 件のコメント:

  1. らいもんくん

    ぶんしょうもじょうずね
    つづきがたのしみ

    わたしはらいもんくんのパフォーマンスもだいすきよ

    ライブみるとげんきがでるもの

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  2. 来門!! 
    マジで小説おもしろすぎるぜ!!
    本当に続きが気になるぜ”!!
    最高だぜ!!
    どんな漫画よりも楽しみにしてるぜ!!

    はやく続きが読みてえよぉ〜

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  3. 感動しました!

    自分も初めてHABさん宅にお招き頂いた時にご馳走になった唐揚げと味噌汁の味を思い出しました、そしてこの小説を読んでから改めてあの時の手料理の暖かさが身に染みています。
    HABさんの人間性から放たれる言葉と音楽の素晴らしさ、来門くんの豊かな感受性とそれをこの小説に還元して表現する力に心打たれています。

    おれも来門くんの歌、大好きです!
    ダンスフロアではジャンル関係無く踊り狂ってるナチュラルな来門くんも大好きです!
    これからも応援してます!!

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