2010年7月4日日曜日

セクシーハードボイルドノンフィクションフィクションアドベンチャー小説 第7話

数日後、結局また同じ道を通って、ようやくデータを届ける事に成功した。

『今日はすぐたどり着けたね、、、、、そんじゃ早速聴いてみようか、、、、また焼けてないんじゃないの?』

ギャグを交ぜつつも、SOMA君はプレッシャーをかけてきている、

『ちょっと、恐い事言わないでよ』
『ははっ ジョークだよ』

CDをデッキにセットして、恐る恐る音が出るのを待つ、、、、、

『おっ! 出ました!!』
こっちも今回はすんなりと応答してくれた

二人でしばらくそのデモを聴いていた。

俺の作る ”デモ” というのは、smorgas時代からそうなのだが、機材にテンでうとい俺はあいかわらずMTRを使用して作曲している。
もともとYAMAHAのMTRを使っていたが、MDデータを必要とするこの機材は、MDデータが生産されなくなって以来、すでにアンティークと化しているので、JUNGLIST YOUTHSの時に買い換え、現在はTASCOMのMTRを使用。チャンネルは8チャンネルあり、そしてハードディスク付きのなかなかの優れものなのだ。

次に俺がレコーディングに欠かせないのが、ベースギターである。
高校の時に渡米して、そこで初めて『ジャミロクワイ』を聴いた、もちろんボーカルのJKもやべーと思ったけど、それ以上に3枚目のアルバムまで参加した、ジャミロクワイのオリジナルベーシスト、"スチュワート・ゼンダー"のプレイを聴いてからすっかりベースにはまってしまい、向こうの学校のジャズクラブで少しの間だったが、ベーシストとしてバンドにも参加していた。
ゼンダーはワーウィックの木目のベースを使用している、俺もそのモデルを買いたかったが、ワーウィックベースはとても値段がはので、やっとの思いでゲットしたのが、TUNEのベースである。smorgasの曲ももちろんこいつで作ったし、
ベースギターは俺にとってメロディーを作る事が出来る最大の武器なんだ。

しかし、いくら作っても超ハイテクを駆使するトラックメーカーにはかなうはずもなく、
俺が作る音はあくまで"デモ"でしかない。もちろんMTRでももっと上手い使い方があると思うが、JUNGLIST YOUTHSの時もそうだったように、そこはもうトラックメーカーに任せたい、自分のポジションはあくまでシンガーである。

『ははっ、、、、、、、音パサパサでスカスカだね
まぁ、でもイメージはわかったよ』

『どうかな?』

『うん、いいんじゃない、俺もちょっとサンプリングして合わせてみるよ、、、
で、リリックの世界観はどうするの?』

『そうだな、、、、、例えばなんだけど、ちょっと復讐劇っぽくしたいんだ』

『復讐劇?なにそれ?』

『イタリア語で、イルブリガンテっていう言葉があるんだけど』

『い、いるなぶりぶり、、、、なんだって?』

『そう、これは日本語に直訳すると、"義賊"っていう意味なんだ、盗賊には間違いないんだけど、かの有名な "ビリーザキッド" や "ロビンフッド" がそうであるように、社会からは追放されるんだけど、民衆からは熱い支持を受け、弱い者からは決して奪い取らず、逆に強者の悪党には喰らいついていくっていう、いわゆるパブリックエネミーっていうやつ、、、、、、その、、、、、俺はすでに社会を敵にまわしちゃってるからね』

『はははっ A,K,A加藤容疑者29才逮捕ってやつ?
不起訴だったじゃん?』

『うん、、、、でもさぁ、やっぱ倒されたら立ち上がらなきゃいけないじゃん?、その敵が大きければ大きいほど燃えるもんがあるでしょ、不可能が可能になった時ほどそんな歓喜の瞬間はないじゃん』

『うん、うん』

『それに人生には予期せぬ事態が起こりえる、信頼していた人間や組織がいきなり独自の偏見で勝手な判断をとって、それまで一緒の志をもった仲間までたたき切るような、、、、、、、、、、それは、ある者から言わせれば"裏切り"って言葉になるよね』

『ふむ』

『俺はそうゆう背中からいきなり刃を突きつけるようなゲスな奴、あるいは社会にたいして、打ち勝てる曲をつくりたいんだ』


『言っている意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ、、、、、、、、
人生においての追撃者ってワケね』

『、、、、、うん、、、、、、俺たちは目に見えない形を追いかける、THE CHASER なんだ』

『、、、、、、、いいじゃん、おもしろそうじゃん、リリック期待しとくよ、、、まぁ、これはあくまで来門のプロジェクトなわけだから、その辺は任せるよ、、、、じゃ、俺も早速知り合いの所で歌録りできるか連絡してみるよ』



『サンキュウソーマッチ』



一週間後レコーディングの約束をして、その日は解散した。
いよいよプロジェクトが形として成し始めてきた、、、、、
帰り路でバイクにまたがりながら俺はつぶやいた

"あの感じだと駄目な理由じゃなさそうだ、、、、、、、、いい感じだ、、、、、、、、、待ってろよ、すげー物作ってやっからな、、、、"

小雨が降る中だったが、それすらも気にせず俺はさらにをアクセルのスロットル開けた。





次回続く

2 件のコメント:

  1. よかったー

    音やけてて

    あんしんした

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  2. ワクワクしてきた!!
    いよいよだ!!

    いるなぶりぶり…www


    今日はありがとでした!!

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